2021年6月25日金曜日

表面実装電解コンデンサの交換 普通の電解コンデンサにする。

 最近の機器は表面実装の電解コンデンサが増えてきました。

交換するにも個人レベルでは表面実装部品の入手が難しく修理が大変です。

そこで、普通の電解コンデンサを表面実装する方法を思いついたので、ブログにまとめました。

LEDのスペーサーを使用する点がミソです。


修理するのはSHUREのミキサーSCM268です。

各チャンネルにノイズがあり、電源まわりのコンデンサが原因とにらんでました。

銀色の小さいのが、表面実装の電解コンデンサです。外見上は異常はなさそうですが・・・


表面実装電解コンデンサはラジオペンチでつかんでネジると簡単に外れます。(ネジザウルスだと掴みやすいかも)
外すと少し液漏れしていました。やはり電解コンデンサの劣化が原因のようです。
写真は一部のコンデンサを交換したあとに撮影しています。

ここに普通の電解コンデンサを取り付けるのですが、
普通に足を曲げて取り付けると、不安定なので、
LEDスペーサーを台座に使用します。

廣杉計器 スペーサー(LED取付スペーサー) LDZ-300シリーズ(Φ3 2本・3本足用) 

という製品です。長さは一番短い3mmにしました。
モノタロウで入手できます。

https://www.monotaro.com/p/1127/3203/

写真のようにM3のネジを当てると足をキレイに曲げることができます。

こんな感じで足を曲げてLEDスペーサを取り付けると

電解コンデンサが自立します。

足をカットして基板にハンダ付けするとこんな感じです。
LEDスペーサーはハンダゴテの熱にも耐えられる素材を使用しているようで、少しハンダゴテを当てたぐらいでは溶けません。
安定しています。見た目もちゃんとしています。

電解コンデンサの交換後、ノイズが消えました。
よかったよかった。

この方法で最近増えている表面実装電解コンデンサの機器の修理ができそうです。


2021年3月29日月曜日

チューナーPioneer F-03の修理

 高音質にAM放送が聴けると一部で話題らしい?!

チューナーPioneer F-03を入手しました。

ワクワクしながら電源を入れてみると、

電源が入らないし、フロントパネルが外れかけている!

フロントパネルの固定部分が折れていたので、エポキシ系接着剤でくっつけました。


電源入らない問題はヒューズを見てみますが異常なし・・・
これは難しいやつだなと思いながら5.6Vと表示がある部分をテスターで測定すると、5.6Vない。


基板をひっくり返して5.6Vのラインを追いかけていくと、あやしいトランジスタを発見!
テスター棒をコレクタのはんだ付け部分に当てるとハンダが溶けているし、試しに触ると熱い。
電源が入らないのはQ304の2SC1845が原因でした。(2SC1845ってあるんですね)
試しに2SC1815に交換すると電源が入りましたが
すぐ熱くなって、しばらくすると電源が入らなくなりました。他に原因があるようです。

Q304のエミッタに電源装置を繋ぎ、5.6Vをかけると電源が入りました。
この状態で動かすと、受信音にガサゴソと大きなノイズが入っています。
確かにAMの受信音は高域までよく伸びています。

あれこれと部品を外したり途中の音声を聞いたりして、切り分けを行うと、
どうやらFM受信部からノイズが出ていることが判明しました。
FMステレオ復調ICのPanasonic AN7470の入力部分からノイズが入っていましたが、受信ICのSANYO LA1265の出力端子からはノイズが聞こえません。
原因はF105のコイルでした。写真ではコイルを外してバイパスしています。

取り外してテスターで抵抗値を測定すると値がふらついていました。
こういうときにアナログテスターだと測定値のふらつき具合がわかって便利ですね。
アナログテスターの利点!


これでガサゴソノイズが消えました。
電源装置で供給していた5.6Vを外して、Q304に再び2SC1815を取り付けて

恐る恐る電源を入れると・・・

動きました!
高域まで伸びた高音質なAM放送が聴こえてきました。AM放送ってこんなに情報量があったんだと驚かされます。もちろんFMも受信できました。
トランジスタもあまり熱くないです。

フタを戻して完成

AMだからと音質を諦めてはいけませんね
高音質にAM放送が聴ける受信機がもっと増えてほしいものです。



2021年1月24日日曜日

オーディオタイマー National TE65

 カセットデッキが順調に動くようになってから、

どうしてもこのデッキでエアチェックしてみたかったので、オーディオタイマーという

製品を購入しました。

右側のパネルにピンを刺して、ONとOFFの時刻を設定するという

なんともわかりやすいタイマーです。


しばらく使用していると設定した時刻より20秒後にONになってしまうので、番組のオープニング部分がどうしても切れてしまいます。

なんとか調整できないものかと思い分解してしまいました。

これが悲劇の始まり

メカ部分を開けた途端にバネでバラバラになってしまいます。

もうぐちゃぐちゃで訳がわかりません。


4時間近くこの難しいパズルを考えて、ようやく仕組みがわかり、戻すことができました。
仕組みがわかってもバネの反発で戻すのが難しいです。
この部分は大変なので二度と開けません笑

分解して気づいたのですが、このカムの位置で調整できました。
15分に一回、カムの凹みの部分が回ってきます。そのタイミングでピンがあるとON・OFFの動作をする仕組みになっていました。
これは分解しないと仕組みはわかりませんでしたが、メカ部分をわざわざ開けなくても、このカムの位置を調整しておけば
設定時刻より早めに動作させることもできるということです。
終了時刻はピンを遅めの時刻にセットしておけば良いだけです。

ということで調整して完成、動作確認を兼ねて深夜便を録音するとバッチリ時報の少し前から録音できていました。

TE65はパネルの印刷が弱いのか、ちょっと拭くと文字が薄くなりますそこだけ要注意です。

カセットデッキSONY TC-K61修理3

 前回も修理していたSONY TC-K61

カセットデッキSONY TC-K61修理2

https://sine-curve.blogspot.com/2021/01/sony-tc-k61_14.html

まだまだ修理が続きます。このデッキには正月から結構楽しませてもらっております。


新たに発覚した不具合は、レベルメーターが0VUより上に行かないこと、

最初は再生しているテープのレベルが低めなのかな?と思っていましたが、

録音でレベル合わせすると、0VU以上にならなかったので気づきました。


最初はレベルメーターのユニットを確認しましたが特に異常ありません。

はんだ不良なども無し


レベルメーター用のアンプ回路を見ると、足が黒くなっているオペアンプを発見
しかし交換しても改善しません。でも念の為交換しておきます。

ネットで探したサービスマニュアルを見ながら、テスターでメーターアンプ周りの電圧を確認すると電圧がかなり低いことに気がつきました。
サービスマニュアルがネットにあって良かったです。
原因は22Ωのヒューズ抵抗、2個でした。

ヒューズ抵抗なんて持ってないので、10Ωの抵抗を直列につないだものに
とりあえず交換すると、メーターも正常な状態になりました。
22Ωのヒューズ抵抗が手に入り次第元に戻すことにします。

ついでなので、電源周りとメーター周りの電解コンデンサも交換してしまいます。
取り外した部品です。いままでおつかれさまです。

塗装をしたフタを戻してとりあえず完成です。



2021年1月14日木曜日

カセットデッキSONY TC-K61修理2

 前回、修理したカセットデッキSONY TC-K61ですが、

カセットデッキSONY TC-K61修理

https://sine-curve.blogspot.com/2021/01/sony-tc-k61.html

しばらく使っていると、リールが回らないときがあります。

アイドラーゴムを綿棒で拭くと復活しますが、翌日再生するとまた滑っている状態です。

これは交換です。


外してみると固くなっていて、表面はツルツルです。

サイズは、外径約16mm, 内径約10mm, 厚さ約2mmでした。

内側には4点の突起があり、これで引っ掛かる構造です。


近所の金物店で水道用のパッキンを探しましたが、このサイズは見つからないので、作ります。


16mmと10mmのポンチで打ち抜きます。

左がもともとのアイドラー、右がポンチで打ち抜いてつくったアイドラーです。
突起は作れないので接着剤でくっつけて完成です。

実はまだ問題がありまして、テープを入れない状態で再生してもLchにノイズが出たままになっています。

底面のフタを開けてトランジスタの交換です。


まずは、ヘッドに接続されているLch初段のトランジスタ(Q103)を交換します。
外してみると足が真っ黒です。2SA836というトランジスタはよくこうなるらいいです。
この箱の形(よく見かけるカマボコ型ではない)をした2SA836は足の配置が逆なので要注意です。
秋月電子で売っている。2SA970に交換しましたが状況は変わらずノイズは消えません。

次のQ104を交換してみます。Q104は2SC1345だったので、2SC2240に交換します。
ノイズが消えました!
テスターでhFEを測定すると、23!
明らかにおかしいです。

Rchは症状が出ていませんが、バランスをとるため一応交換しました。
交換したトランジスタです。取り外したトランジスタのhFEも一応記載します。
Lch
Q103 2SA836 hFE:378
Q104 2SC1345 hFE:23 ←このトランジスタがNG

Rch
Q203 2SA836 hFE:350
Q204 2SC1345 hFE:400

2SA836は2SA970に、2SC1345は2SC2240に交換しました。

カセットを再生すると交換前はおかしかった左右のバランスも直っていました!

やはりまだまだ修理は終わりませんでした。続編があります。

カセットデッキSONY TC-K61修理3

https://sine-curve.blogspot.com/2021/01/sony-tc-k61_24.html


2021年1月7日木曜日

カセットデッキSONY TC-K61修理

 正月にハードオフに行ってみたら、いい感じのカセットデッキがあったので買ってみました。
SONY TC-K61です。
フロントパネルやつまみにアルミが使われていて頑丈そう

再生もバッチリでしたが、ちょっと汚れているのと、早送りと巻き戻しの音が大きすぎるので分解


スイッチ類の緑のサビはピカールで磨きます。

メカ部分にはプラスチック部品が多いので念の為シリコンオイルとシリコングリースを注油していきます。

注油しすぎたのか油が付きすぎて滑ってしまったので綿棒で拭き取っています。
摩擦が必要な部分に油がついてしまうと滑って動きません。

早送りと巻き戻し音もだいぶ小さくなりました。久々にカセットテープを聴くと意外と良い音で驚きます。

面白くなってしばらくいろんなカセットを聴いていると
再生してしばらくすると止まるようになってしまいました。巻き戻しや早送りもすぐ止まってしまいます。
カウンターを回しているベルトが伸びて空回りしているのが原因でした。
このデッキはカウンター部分の光センサーで回転を読み取っていて、停止した状態がしばらく続くと
回転を止める構造になっているようです。
奥の方の切り欠きのある部品が回転してそれを読み取っています。

TC-K55もメカはほぼ同じようなので、こちらのサイトを参考に千石電商に注文しました。

SONY Tapecoder TC-K55 ゴムベルト交換修理

http://emori.ddns.net/_Shin/_Craft/TC-K55_repair/index.htm


交換するとちゃんと動作しました。
しかしケースに戻して見るとモーターが回らない・・・
モーターが繋がっているケーブルを触るとモーターが動くことに気づき基板を裏返すとはんだクラックで接触不良になっていました。
ハンダ付けし直します。
写真のマイナスドライバー先の赤と書いてある部分です。

これで修理完了です。たまにはカセットテープも良いですね。

修理はこれで終わりませんでした。パート2があります。

カセットデッキSONY TC-K61修理2




2020年7月28日火曜日

ラミネータで基板作り

前回の記事で、画彩が変わってから転写がうまく行かないことを書いた。
基板が作れない。葡萄印の画彩がない問題

今回はラミネーターを改造して基板作りに挑戦!

使用するラミネーターはAURORA CLUB LM430H
カインズで売っていた。
改造前の写真が無かったので、下の写真は改造後の写真

早速分解してみると、なぜかサーモスタットが2個付いている。
配線をたどると、左側が挿入可LED表示用で、右側がヒーター制御用になっているようだ。
ちなみに挿入可LED表示用はノーマルオープン接点、ヒーター制御用はノーマルクローズ接点だった。

交換前のサーモスタット、この写真だと左側がヒーター用で、右側がLED用 になる。


こちらの記事を参考に
Press-n-Peelラミネーター実験

まずはサーモスタットを130℃に交換
ついでに、LEDもヒーターのところにつないでサーモスタットを1つにした。
こうするとヒーターがONのときLEDが点灯する動作になる。

NEC MultiWriter 5140で印刷した、葡萄じゃない画彩をラミネーターに10回ほど通してみる。
130℃だと低すぎるか?

続いて、aitendoで販売している熱転写シート(黄色紙)もやってみると、きれいに写っている。
サーモスタットもaitendoで販売しているので同時に購入できる。

145℃のサーモスタットも購入していたので、ここからは145℃に交換して実験

まずは葡萄じゃない画彩から、
130℃よりは転写されているがパターンが欠けまくっている。

熱転写シートも試してみる。
熱転写シートはベタ部分に小さな穴が空いていたりするが、
マジックで塗りつぶせば一応使えるか?
実際にエッチングしてみないとわからない。

恐る恐る145℃で動作させていたが、このラミネーター案外問題なさそう
ちなみに温度ヒューズは240℃だった。

今の所、aitendoの熱転写シートが有力候補かな