2021年3月29日月曜日

チューナーPioneer F-03の修理

 高音質にAM放送が聴けると一部で話題らしい?!

チューナーPioneer F-03を入手しました。

ワクワクしながら電源を入れてみると、

電源が入らないし、フロントパネルが外れかけている!

フロントパネルの固定部分が折れていたので、エポキシ系接着剤でくっつけました。


電源入らない問題はヒューズを見てみますが異常なし・・・
これは難しいやつだなと思いながら5.6Vと表示がある部分をテスターで測定すると、5.6Vない。


基板をひっくり返して5.6Vのラインを追いかけていくと、あやしいトランジスタを発見!
テスター棒をコレクタのはんだ付け部分に当てるとハンダが溶けているし、試しに触ると熱い。
電源が入らないのはQ304の2SC1845が原因でした。(2SC1845ってあるんですね)
試しに2SC1815に交換すると電源が入りましたが
すぐ熱くなって、しばらくすると電源が入らなくなりました。他に原因があるようです。

Q304のエミッタに電源装置を繋ぎ、5.6Vをかけると電源が入りました。
この状態で動かすと、受信音にガサゴソと大きなノイズが入っています。
確かにAMの受信音は高域までよく伸びています。

あれこれと部品を外したり途中の音声を聞いたりして、切り分けを行うと、
どうやらFM受信部からノイズが出ていることが判明しました。
FMステレオ復調ICのPanasonic AN7470の入力部分からノイズが入っていましたが、受信ICのSANYO LA1265の出力端子からはノイズが聞こえません。
原因はF105のコイルでした。写真ではコイルを外してバイパスしています。

取り外してテスターで抵抗値を測定すると値がふらついていました。
こういうときにアナログテスターだと測定値のふらつき具合がわかって便利ですね。
アナログテスターの利点!


これでガサゴソノイズが消えました。
電源装置で供給していた5.6Vを外して、Q304に再び2SC1815を取り付けて

恐る恐る電源を入れると・・・

動きました!
高域まで伸びた高音質なAM放送が聴こえてきました。AM放送ってこんなに情報量があったんだと驚かされます。もちろんFMも受信できました。
トランジスタもあまり熱くないです。

フタを戻して完成

AMだからと音質を諦めてはいけませんね
高音質にAM放送が聴ける受信機がもっと増えてほしいものです。